2026/8/13
青森・宮城_落葉果樹生産者会議を開催
2026年7月24日(金)25日(土)に、生産者の会主催としては初の果樹をテーマにした生産者会議を開催、生産者11団体32名、オイシックス社スタッフ9名の計41名が参加しました。
本生産者会議は、果樹栽培における最新技術や園地施設見学を通して知見を得ること、生産者同士の情報交換と交流を目的に企画しました。参加した生産者のみなさんは、りんごや梨、柑橘、梅などを栽培されており、「CA貯蔵設備や高密植栽培の視察」「菊地秀喜氏による講座」「参加者同士の交流」などを目的に、遠く熊本や長野、群馬、福島、山形から集まってくださいました。
初日は青森県でのりんごに関する施設や圃場見学
初日は、津軽産直組合・新農業研究会のみなさまがホストとなり施設や圃場をご案内いただきました。

【青森市りんごセンター|CA貯蔵設備の見学】
りんご出荷のシーズン前のため設備の稼働については見学が叶いませんでしたが、CA貯蔵庫を見学。1室に20kg入りコンテナが15,000収容できるCA冷蔵庫や、人が中に入って作業せず低酸素・高二酸化炭素の状態をキープできる(密閉状態を保ったまま内部のクレーン等で必要な分だけパレット単位で出し入れする)自動ラックCA冷蔵庫を見学。

【津軽産直組合|新選果場および高密植栽培園見学】
津軽産直ファームの工藤さんの園地にて高密植栽培の圃場を見学。従来の栽培法に比べ植えてから収穫が出来るまでの期間が短いこと、剪定方法に流派や時間を要することなく出来ること、高所作業や長時間労働の負担が少なく、収量も多くなるなどのメリットがあるとのこと。「近隣の園地はあと5年でほとんど離農すると思います」という現状のなか、比較的誰がやってもりんごを栽培できる高密植は高齢化や人手不足に対応した未来を見据えた栽培方法なのだと感じました。

【新農業研究会|佐藤昭浩さん園地見学】
新農業研究会の若き会長でもあり、青森県りんご協会の理事も務めている佐藤さんの園地では、最近の気候に対応するために変化している防除の状況などをお話いただきました。「温暖化で秋が長くなっています。温かい、そして湿度が高いと褐斑病が出やすくなるのですが7,8年前から褐斑病が出てきました。その防除としての殺菌剤や殺虫剤の散布を9月末までやろうという話しも出てきています。私たちはこの慣行栽培よりも使用農薬や成分を少なくして頑張っているところです」
農産企画で初!醸造所見学も

【Be Easy Brewing|施設見学】
2016年創業、国内外で数々の賞を受賞したクラフトビール醸造所。青森・弘前を拠点に、ビールと缶アートを通じて、青森の風景、地元の特産品、伝統工芸など、地域の素晴らしさを伝えるストーリーをビールに込め、地元青森の魅力を広める活動に取り組む。豊作となったりんごを醸造した過去も。果物の商品化の1つの参考例としてクラフトビールのブルワリーを見学しました。
2日めは宮城県仙台市。最新技術の視察
二日目は会場を宮城県仙台に移し、りんごのジョイント栽培を開発した菊地秀喜先生や、梨のジョイント栽培を開発した柴田健一郎先生が専門監修を務める最先端圃場のJRフルーツパーク仙台あらはまにて、菊地先生より座学と圃場見学を実施いただきました。


JRフルーツパーク仙台あらはまは、東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市若林区荒浜地区(集団移転跡地)の復興開発の一環として計画され、震災からちょうど10年となる2021年3月18日にオープン。「宮城県は全国の果物産出量では45位。京都や東京よりも下で、県内の人たちは果物狩りというと福島や山形に行くような状況でした。東北で唯一の100万人都市である仙台に果物狩りを楽しめる場所を作ることは経営面でもメリットがあると考えました」というお話も印象的でした。ブルーベリーやいちじく、いちご、ぶどう、梨、りんごなど一年を通して果物狩りが楽しめるよう試行錯誤されているそうです。
そのようななか、りんごや梨のジョイント栽培を実践されているのは、学生やアルバイトスタッフでも剪定や栽培を間違えずにできるというメリットがあるからという点に、青森で伺った話をリンクしました。
参加者の声
参加者からは、生産者同士、生産者とスタッフ間の貴重な交流の場になったと好評の声を多くいただきました。
「ジョイント栽培は興味深く、参考になりました。 菊地先生と栽培技術について意見交換もでき、楽しい時間でした。また柑橘農家の吉田さんと剪定や園地づくりについて意見交換し、果樹は常緑も落葉も共通の考え方があると共通認識を持てたことが嬉しかったです。(新農業研究会 佐藤昭浩 さん)」
「栽培する果樹も地域も違えど、作物への向き合い方や考え方は通じるものがあるように感じました。栽培技術の向上や情報交換などを積極的に行っていることに大いに刺激を受けました。菊地先生には、知識や技術を包み隠さずお話しいただき、本当に頭が下がります。厳しい気象や、農業を取り巻くさまざまな問題を抱えながら果樹栽培を行っている同士が、遠く東北にも確かにいることに、大きな気づきと喜びを感じました。(肥薩自然農業 吉田浩司さん)」
「鮮度保持や収量増と省力化・マニュアル化は今後の全ての産地にとって必要な技術だと感じました。今回のような共通技術や先進事例の勉強会は非常に有意義だと思うので、今後も定期的に続けていけるといいなと感じました。(大地を守る会農産スタッフ 島田俊介さん)」
島田晶子
食の未来をつくる生産者の会 事務局
らでぃっしゅぼーや歴30年。毎週届く全国の作り手さんからの品々で私の身体の大半は出来ていて、残りの部分はクラフトビールで満たされています。最近の元気が出るワードは「なんとかなれー」です。
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